一月往ぬる、二月逃げる、三月去る。
正月からあっという間に時が過ぎるという諺。
記憶がある範囲まで記憶をたどるが、年が
ら年中、「往ぬる、逃げる、去る」だったなぁ
と回顧するが、それなりに謳歌しているので
まぁ良いかである。
月の満ち欠けを愛でながら一句読むというよ
うな風流な趣味は持ち合わせていないが、
過ぎ去る日々の中で季節だけは折々で感じ
ておきたい、だって人間だもん。
今日も又、ふと窓からビルの谷間照らし出す
日差しを見た。なんとなくなのだが照らし出さ
れた風景が冷たく凍てつく様な厳しい表情が
和らいできたように見える。
寒さと暖かさをを幾度も重ねる事で「日差し」
が「陽射し」へと変化し、重ねたものを衣服を
脱ぎ捨て、肌を炎天下に曝け出して行く。
冬が終われば春になり、次には夏が来る、自
然の変化に身を任すのも乙なもの。
公園の名も無き雑草も黄色や白の花を咲か
せ、青々しい新芽が美しい。悪食家は春の
山菜を綿実油で揚げた天ぷらを40℃のぬる
燗で一献傾ける。セリ、フキノトウ、ノビル、
タラの芽、コシアブラ、パブロフの犬状態は身
を活性化させる。
忙しくなったり上手く事が運ばないとストレス
が溜まり、イライラする。小さな笑いや喜びを
ちりばめれば忙中に閑を見出せ、ストレスは
和らぐ。
仕事の始まりはすべからく笑いがあり、喜びが
見えている。クロージング時になれば上手くい
かない闇がいつも待ち受けている。
ベテランであれば冬の後には春が来ると更に
追い込みながらいい仕事を成し遂げる。
闇を越えた経験が浅ければ先が見えないの
に責任感だけが増し逃げだしたくなる。
そらそうだ、ここはいい加減でなく、良い加減
になり「ぱらっといきまひょ」と肩の力を抜き、笑
顔一つ振り撒けば春が来る。
忙さんは閑さんがあってこそ引き立てられる。
閑さんだけでは忙さんと会えないし、生きる張
り合いもなくなる。
いついつまでも忙閑と上手く付き合って行きた
いよね。