春がやってきたと思わせる風物詩。
天平勝宝4(752)年に始まってから1回も途絶
えることない奈良東大寺二月堂のお水取り。
3月12日に漆黒の闇中、僧侶が真っ赤に燃え
た40kgの松明(たいまつ)が階段を駆け上がり、
舞台の欄干に掲げられた時が「お松明」のクラ
イマックス。
回され、揺さぶられ舞台を右、左、飛び散る火
の粉に観衆は「ウオー」で最高潮。
コロナで絶えないように僧侶たちも、事前にホテ
ルなどで隔離生活。
今は、スマホ一つで情報、物、出会い、予約、
支払い、簡単な業務であればYOU TUBEでO
JTも可能となり、サブスクで音楽や画像、動画、
デザイン等も安価に手に入れる事ができる。
世界中に拡がったネット網であらゆるものが見
え、繋がっていく。
利便性は飛躍的に向上した。
豊かになるための術や豊かさの質が日に日に大
きく変わって来た。
変化に目を奪われすぎると我を忘れる。
変化してはいけない物を腰を据えて守っていく
ことも重要。
3年間のコロナ生活は人々を更に変化に導い
ていくのか元の生活に戻ることを良しとするのか。
お水取りは新しい年がいい年であることを祈る
行事、冬から春へ水温む(ぬるむ)変化点。
変らぬ仏事の法要と変り行く季節。
スマホを捨ててもう少し、ゆったりと変化しない
物と変化するものを楽しむ余裕を持ちたいもの
だ。