クルマに装備されている電子機器の総称である電装品、

搭載率は年々増加。

富士キメラ総研は車載電装システム市場は、2022年

は38兆4842億円に対し、2035年は82兆3921億

円規模と、2倍以上の市場拡大を予想する。

PARATが生きるための新規市場を模索していた2007

年、WEBサーフィンしながら車載電装市場に「ノズル内で

のはんだ付ロボット」で勝負を賭けることを決め、知財化さ

れていないアイデアの製造権を取得、一年間で車載向け

のシステムと工法を開発、二年目の2009年に東京ビッグ

サイトの展示会でメジャーデビューする事とした。

右も左も分からない中であらゆることを模索した。

これやと決めた的に当たるも八卦当たらぬも八卦、エイヤ

ーの決断、今も肝を冷やすような無残な夢を見る。

過去、家電や電子部品、携帯カメラ業界にも身を置いて

いた。はんだコテなら数万から十数万円、一点づつのはん

だ付に大枚を払ってくれるお客さんが現れるのか、不安な

生活の中で販売を伸ばした。

気を引くためにも、大阪らしいネーミング、ロボット名は中学

生の時に流行ったフィフィスディメンションがコーラスする輝く

星座「アクエリアス」。

歌詞に「愛が星達を動かすだろうこれが夜明けだ」とある。

15の魂がRZノズル式はんだ付ロボットに乗り移った。

ノズル内残渣がはんだ品質を劣化させる、冷や汗掻きなが

らクリーナーを開発、その名を「よみがえり君」とした。

はんだ付位置が目視では見難い、そこで誕生したのが誰で

も手軽に文書を作成できるよう開発された、日本語ワープロ

ソフトにちなみ「位置太郎」。

ノズル交換時の位置補正するために標準装備された「座標

位置」、兇状持ちで盲目の侠客である居合切り名人座頭の

市からいただいた。

究極はノズルの先端を非接触で測定する「お主測ったな」。

このネーミングをお客様に紹介するのが恥ずかしかった、腰が

引けたものはやはり売れないで早い目に廃番。

言葉に託す願いだが、いつ旬が過ぎるかがいつも頭がよぎる。

紛らわしてくれるのは、この性能だったらもっと買ってくれる

と夢想する。

構想から三年目から、一列多点（RＺbeetle)や多列多点（RZ

conte)が頭を駆け巡っていた。

電熱・断熱、ヒュームとの戦い、複雑になればなるほどトラブル

が飛躍的に増える、後ろ向きは身を亡ぼす、前のめりでお客様

と対峙する。

面白いことに、一流のお客様には艱難辛苦を「へ」ともしない強

者（つわもの）達がPARATの神輿を担いでくれた。

RZconteの前にBEETLEを越えなければ、次週に続く。