PARAT NEWS

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ぱらっといきまひょ  門前の小僧習ならわぬ経を読んだからのRZbeetle
2024/07/08 PARAT NEWS

現場にはお金が落ちていと言われるが、現金(ゲンナマ)が落ち

ているわけではない、商いのネタが落ちている例え。

同じく見えないが、現場には様々な生きる為に必要な法則も

落ちている。

 

3歳から家業であった鉄工所にデビュー、おどおどしくて、独特

の油臭い匂い、危険を感じる機械音、TVもファミコンもない時

代、餓鬼が惹きつけられる魅力が鉄工所にはあった。

 

キサゲ(シカラップ)で金属表面を平坦にして行く作業は芸術的。

職人が腰にキサゲを当て腰を前後させながら機械加工された規

則正しいツールマークに綾目・市松・三角・三日月・千鳥と模様

が刻まれていく。

日本画で使用される赤色顔料である光明丹(こうみょうたん)を

薄く塗り、基準となる定盤を擦り合わせ凸凹を見える化。

塗料が剥がれた金属面が凸、そこをキサゲする黒あたり。

定盤に光明丹を塗って製品に擦る、凸が赤くなりそこをキサゲす

る赤当たり。職人さんの自慢げなお話に無我夢中。

工作機械で加工された物は、その工作機械以上の精度は求め

られない(母性原理/copying principle)。それ同等、それ以上に

求められ時に必要な技能がキサゲ作業、うっとりするね。

 

ものづくりに魅了された餓鬼が工業高校、工業大学と進み、自動

車会社に就職、そして家業へ。今は、油臭さがないはんだ付ロボッ

トメーカのCEOの席に着く。

偶然では無い、三つ子の「門前の小僧習ならわぬ経を読よむ」か

ら始まった必然性。

 

30歳を超え、刈谷市にあった自動車部品工場の現場に立つ。点

火プラグの中心電極を製造する装置を納に来たのだが、沢山の自

動機が百花繚乱、楽しくてしようがない。

きょろきょろ、うろうろする菜っ葉服(なっぱふく)姿の若者に工場責任

者と思われるオジサンから𠮟責が飛ぶ、不審者と思われたようだ。

 

ここからのご縁で三重県大安から愛知県西尾へと紡がれて行く。そ

こで学んだのが、5ゲン主義。

現場・現物・現実そして原理・原則、専用機を請け負うのはいいが

お客様が要望する検収条件「チョコ停ゼロ、1時間無停止」をクリア

するために法則がそこに隠されていた。

 

RZantからBEETLE、これを世に出す前の長い歴史があってこそ。

BEETLEを語るにはまだまだのエピソードがある、来週に続く。