PARAT NEWS

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ぱらっといきまひょ 大阪の味で翼を休める
2024/10/14 PARAT NEWS

「天下の台所」と言われた大阪だがコロナ禍があった今のご

時世、包丁一本で勝負できる保障はない。

ちゃんとした料理人は、子弟制度により鍛えられており、そ

こからの暖簾分けで割烹や小料理屋をキタ、ミナミで開業

し名店が増えていった。

今は、家賃や人件費、材料代の高騰、後継者含め人材

不足で悩む高齢者の大将が廃業する事例が増えている。

 

ウメキタ再開発で大阪駅西口に直結した大阪中央郵便

局跡地に誕生した商業施設KITTE大阪やイノゲート大

阪と新ビル竣工、グラングリーン大阪にも繋がっており連日

連夜千客万来だ。両方のビルでレストランが約100店軒

を連ね、殆どが関西で繁盛している立ち飲み屋や居酒屋

である。

 

大阪駅近くに努めるホワイトカラーに狙いを定めているが、

正確に言えば務める若者狙いである。イノゲート大阪2

~5階はバルチカ03と呼ばれている。梅田3丁目を略し

た「03」と梅田に努めるおっさん「0オ3サン」に活力を与

える意味も含まれている。

中津LOGIX近くのアルコールを冷蔵庫から勝手に取り

出す立ち飲み屋は「ナカサン」、中津三丁目にあるから。

少しでも落ち狙いの大阪ならではのネーミング。

 

KITTEや「03」に足を踏み入れたが観光客や若者で

占拠され、並ばされる。落ち着かない。

たった八時間であるが経営最前線で課題解決してい

る身にとって嘴(くちばし)と翼と脳みそを一、二時間癒

してくれる止まり木を求めてしまう。すべてお見通しの小

股が切れ上がった女将の店や包丁一本で寡黙な頑

固おやじの店がいい。

料理は、鰹節の一番出汁(だし)をベースにした吸い

物、出汁巻きや煮物が五臓六腑を優しく慰めてくれ、

ここに純米酒のぬる燗でもああれば上機嫌。

肉を割(さ)き、烹(に)る割烹(かっぽう)は、せっかち

な大阪から始まった、確かに料亭は肌に合わない。

今や、そんな店は数えるだけしかなく予約と大枚が必

須条件となる。

昭和が漂うコの字カウンターの席を夜ごと温める日々

が続く。家庭料理の延長でしっかり出汁を引いている

店はそれなりにある。

 

変化しなければいけない事と、変化したらあかん事が

ある、料理屋さんにも求められる。

古来から紡がれた人を喜ばせる味や演出とおもてなし

は変えたらあかん。

仕事の仕方や、適正な限界利益を得れるMENU、

店の価値を認めてくれる顧客やローケーションは変え

る。

結論は、千客万来が見込め、利益が出せ、無駄が

ない経営さえすれば末永く暖簾は守れる。

 

基本を守り、新しきを取り入れる。

大阪の街も不易流行(ふえきりゅうこう)を常に求め

られる。

本社から中津LOGIX迄はグラングリーン大阪を横

眼に見ながら徒歩10分、都心に緑地を創造した

のに共鳴する。

何故、PARATは世界中で使用されているはんだ

付ロボットメーカなのに何故都心にオフィスを構える

のか次週に終づく。