PARAT NEWS

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ぱらっといきまひょ 経営は生死を分ける戦いである3 
2025/02/03 PARAT NEWS

生きている以上いつかは死ぬ。

会社を興した以上いつかは破綻する。

諸行無常(しょぎょうむじょう)、人生は儚(はかな)い、生命

のもろさと死との直面。だからこそ万物(ばんぶつ)は常に

流転するものと心得る。

信心深くないが仏教思想である三法印の一つに心動かさ

れる。

 

生を受けた事に喜びを感じ必死のパッチで生きる、生き永

らえる努力こそ生き甲斐でありたい。

 

一流のお客様と出会えた、高いものから低いものあらゆる

モノは流れる。いい人と会い、いい仕事と巡り合える、スパ

イラルに人も会社も成長していく。日本電装さんとお仕事し

ているならと地元松下電子部品との仕事が新たに始まる。

バブル経済も後押しし、年商数千万円の会社が一億、五

億と売上げと社員を増やして行く。

いつもゼロからの中、何も経験も知見もないのにお客様か

らの要望にすべからず「SAYYES」。ダボハゼのように喰ら

いついていく天晴れさ、これが若さなのだろう。

 

「好事、魔多し」など爪の先ほども意識しない中、年商売上

げ7億円で14億円の投資した新工場ナカテックワールドを

竣工。ここで初めて影を潜めていた横山社長の顔が朧気(

おぼろげ)ながら浮かんでくる。土地神話、何倍も地価が跳

ね上がり何かあっても担保はあると言う一点だけが確信で

あった。親から授かった土地と看板の上で、売上げと人だ

けを増やすなら事なきを得たのだろうが、バブル崩壊が始

まり、仕事も地価もだだ下がり。あっという間に経営の蹉跌

へと落ちていく。破綻する可能性を客先と仕入れ先に開示

しながら奇跡の好転を待つ。「このままでは一年先には倒

産する可能性があります」。「あかんたれ」やからだろう、手

を拱(こまね)くより周りへの連鎖を少しでも回避させる道を

選択した。

十数年後、金融機関の人から自殺を考えなかったですかと

質(ただ)された。「方々に駆けずり回り、夜遅くまで必死で頭

を下げまくっていたので流石に睡眠だけは取れましたので

かろうじて追い込まれませんでした」と鸚鵡(おうむ)返し。

付け加えると、横に寄り添ってくれた経理担当の原子(はらこ)

さんの存在も大きかった。横山社長も手招きすることなく、無

形の教えで生の道を選ばせてくれた。

 

商いでの「糧(現金収入)」を失ったバブルに飲み込まれた39

歳を迎えた男が選択した道が「最強のサラリーマン」。

 

<経営は生死を分ける戦いである4>

商いを経験した最強のサラリーマンを目指した男の早過ぎる

挫折と、終の商いでサクセスするまでの貴重な経験の中でも

生死を分けるエピソードが・・・・・・。